MGS2大佐の名言「ネットの情報は永久にとどまり続ける」は嘘でしかない件

ロゼッタストーンインターネット
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現代のデジタル社会では、日々のあらゆる情報が蓄積され、些細な情報がそのままの形で保存されている。
永久に、劣化することはない。
誰が言ったかもわからない、ゴミのような噂、間違った解釈、他人の中傷…。
あらゆる情報がろ過されず、保存されて、後世に伝えられる。
それは進化を止める。

メタルギアソリッド2 大佐の説教

メタルギア2のあの名言の意味

メタルギアシリーズは日本ゲーム史に残る偉大なゲームシリーズです。

そのシリーズ2作目に登場する「大佐」がこのようなことを述べていまして、ネットでは錦の御旗のようにこれが「名言」として喧伝され「本当これだわ」と同意を得ているので、異論を述べたいと思います。

ネットって別に「永続的に情報が残る」ってことないし、むしろアナログチックな媒体のほうが永続性でみたら高いですよ、って話。

どんな高度な情報媒体も石板には敵わない

「どんなに高度な情報媒体も石板には敵わない」

これが根拠です。

数千年前に人間が作った建築物の中でその姿をありありと残しているものといえば、古代エジプトのピラミッドか万里の長城ぐらいでしょう。

石でできた建造物はやっぱりどうあっても強いんです。コンクリートだ何だって最新技術がこれでもかと商業的に使われた現代の建造物よりも何倍も。

情報を記録する媒体においてもこれは成り立ちます。

今我々が使ってるDVDとかCDなんて20年持てばいいほうで、ハードディスクも普通は5年ごとに買い替えることを推奨しています。

この点、石板は強いですよ。

今だにロゼッタストーンの文字とか読めるじゃないですか。

ロゼッタストーンはギリシャ文字とエジプトの文字が書かれた石板です。

ロゼッタストーン(Wikipedia)

これ、花崗岩(と閃緑岩のミックス)に彫られてますからね。

花崗岩ってものすごい強いですよ。

USBメモリとかハードディスクなんて野ざらしにすれば1週間で壊れますが、花崗岩に彫った情報ならずっともちます。

今回の話は「デジタル媒体の保存性が低い」という話ではなく、「ネットの情報はずっと残っていく」という話なので、それについても反論します。

サイトが消えたら絶対に見れなくなる

ネットの情報が永続的でないのはなぜか。

サイトが消えたら絶対に見れなくなるからです。

書籍なら印刷できますが、ネットはそうもいきません。WEBページの中で「アナログでもその記録が残されてるもの」なんて本当にわずかです。

魚拓だって、魚拓サービスが終われば消えますからね。

情報を書籍という形で自分の家や共同体に蓄えることの代わりに、それを情報網(the Internet)に外部委託しただけなので、自分の家が火事になったりするのと同様、外部委託先が死んだら情報も死にます。

例えば「2004年に起こった一番大きなニュースと、そのニュースがどう報道されていたか、世間にどう受け止められていたか」を調べてみてくださいよ。

出てこないから。

当時はそれを書いてた人も多いはずなのに。

その当時のウェブサイトの多くはもう閉まってるからです。

何なら2018年のでもいいですよ。お茶の間にそれがどう捉えられてきたか、掴むことはできないですから。

前者のほうは「ツール」の「期間を指定」で出てきますよね。

でも後者が出てこない。テレビの情報を当時から取り上げていた媒体なんて個人ブログしかなく、そんなブログはもう閉鎖されている。

そう考えると、冒頭のメタルギアソリッド2の「名言」なんてのが、所詮はインターネット黎明期に出てきた言論でしかないことがよーくわかる

これを名言とする人間がいるとは思えないほど的外れです。

真実が真実のまま堆積されていくなんてあり得ない。堆積したものは下から順に消えてくのがネットなんです。むしろその面、書籍はずっと優れてます。

Googleが提供するデータベース最適化ソフト(検索エンジン)を使い続ける限り、やはり一企業の利益に反することを書けば検索ヒットしないようにされますし、前に読んでいたサイトが全然ヒットしなくなったって経験は皆さんにもあるでしょう。

それは『真実が真実のまま』という見通しよりもはるかに残酷なのです。我々言論者にとっては。

ネットは人間の営みを反映なんかしちゃいない

そしてもう一つ疑問ですが、身近だけどネットに載ってないことなんて山ほどありますよね?

テレビやラジオがその代表です。これらはマスメディアとして未だに我々のすぐ近くにありますけど、例えば「2010年12月21日のミヤネ屋の報道映像」なんてテレビ局にしかないですからね。

ネットに載ってない。

価格.com - 「情報ライブ ミヤネ屋」2010年12月21日(火)放送内容 | テレビ紹介情報
日本テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」で2010年12月21日(火)に放送された内容です。当日に放送された情報もタイムリーに更新しています。

こんな感じで大雑把な内容は載ってても、一体何がどう報道されたのか書いてないです。マイナーな番組ならこれさえ書かれていない。

こんな現状で「真実は真実のままろ過されず保存される」なんて言えないです。

ろ過されるための素材が足りなくないですか?

日常の一体何割がネットに書き込まれてるんですか?

「君たちがひりだすクソの山から必要なものを選別してやる」と「大佐」は言いますが、2020年時点でそんなことができるのか私には疑問で、見当もつかない。

お茶の間の会話やテレビ・ラジオの内容さえ拾えないインターネットから、いったいどんな「真実」を見つけるのやら

大佐が正論を言っているとは思えませんね…。

まあ、真実なんてあんまり興味がなくて、私は無名の様々な人間がつづる文章を読んでいたいと思います。

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