円周率は3?3.14?いやいや3.2ですぞ~ゆとり世代もびっくりな値~

数学
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円周率は昔、3.2にされかけたことがある

ゆとり教育と円周率イコール3議論

今の20歳以上ぐらいの人なら、かつて円周率が3にされかけたことがある、と聞いて「懐かしいなぁ」と思うかもしれません。世に悪名高い「ゆとり世代」の教育の一例として提示された「デマ」です。

という感じの議論はWikipediaに既に記事があります

簡単にいえば「処理方法に応じて3で計算しましょう、という指導が曲解されて伝わり、日能研がそれに尾ひれをつけたことで円周率が3で統一して教えられるのだと誤解された」という流れだそうです。

ところが、円周率3は嘆かわしい、これだからゆとり世代はと思った人も、なぜ円周率が3だと駄目なのか説明できないのではないでしょうか。そもそも円周率とは何なのか?ってところからですかね。

円周率とは何か

円周率とは、円の直径に対する円周の長さの比のことです。

3.1415…以下無限に続くと考えられています。単純な図形の中に無限が広がっているんですね。そしてこれを文字式で表したものが\(\pi\)です。あまりに長いのでもうギリシャ文字一つで代表させています。

こちらのgifがわかりやすいので貼っておきます。

Wikipedia- 円周率

なぜこんなものを定義する必要があるのかというと、まず「円は色んな場面に出てくる」、そして「円の周りの長さとか、直径を知りたいことが多い」からです。

例えば丸太の周りにロープを張るとして、丸太の直径がわかれば必要なロープの長さが計算でわかりますよね。いちいちそういうのを手作業でやるより、計算で求めたほうがよっぽど早いんです。

ロケットを飛ばすのでも、星は球なのでやはり円周率が出てきます。円周率を正確に知ることは、単なる知的好奇心を満たす以上に大事なことでした。

なぜ円周率は3では駄目なのか

なぜ円周率を3にしてしまうと駄目なのか。

もちろん「誤差が大きいから」だとはおもいますが、実は円周率を3で計算すると、それはもはや円ではなく正六角形の外周になるからです。

丸太の直径がわかっているとしてそこからロープの長さを求めたいなら、円周率を3で計算してしまうと明らかに(長さが)足りなくなります。

ましてやロケットを飛ばすような規模の計算でこの誤差はあまりに大きいです。

とはいえ、誤差率は\(\displaystyle \frac{3.14-3}{3.14} \simeq 4.5 \%\)です。

大雑把でよい日常、例えばピザの円周を求めるような計算に3.14を厳密に用いるまでもないでしょう。3であれば電卓などなくても暗算でできてしまうわけで。

そういった「用途に合わせた有効数字の使い方」まで議論されてしかるべきだと思っていたのですが、高学歴が多いはずのマスコミもこぞって「円周率が3!ゆとり世代の弊害!」なんて報じてましたからね。

ですが、世の中にはさらに驚くべき事案がありました。

今回紹介するのはなんと「円周率が3.2にされかけたことがある」という驚きの雑学です。

円周率3.2インディアナ法案事件

こちら「世界一ありえん円周率」としてギネスにも載っている、とされていますがこちらはギネスブックで確認できなかったのでデマと思われます。

教育上でキリスト教が3.2を教えた、とかなら面白いのですが、真相はもう少し退屈です。

「円積問題」という数学の未解決の問題がありました。

円と同じ面積を持つ正方形をコンパス作図によってつくれるか、というもので、現在これは「円周率は永遠に小数点以下が続く数なので無理!」と証明されています。

円積問題

今の時代にそんな証明なんてほとんどの数学者は耳を貸さないのですが、1897年当時はそうでもなかったようです。

この問題が「肯定的に」、つまり「作図可能である」という方向で証明されたと、アマチュア数学者が主張しました。

そしてこれを知った議員が「この数学定理(円積定理)をインディアナ州の教育に無料で提供する」という内容の法案を提出。

そもそも定理って無料も有料もないと思うんですけど、論文を出版する前の定理を無料で、ということでしょうかね(論文も読むためにはお金がかかります!)

そして、その結末はどうだったか?

失敗に終わりました。

円周率はやはり3.2ではなかった

何が問題だったのかと言うと、証明自体が間違っていました。証明の過程で円周率を4/1.25つまり3.2だとおいてしまっていたのです。

なぜそんな間違いをしたかはわかりません(作図の過程でごちゃごちゃになって比率を間違えることはよくあります)が、ともかくこの法案は可決されませんでした。

証明の誤りに気がついた数学者たちが訂正し、下院を通過していた法案を上院で留めたからです。

現在この問題は「インディアナ州円周率法案」という内容でWikipediaに記事があります。

数学がわかりにくい理由について、こちらで考察しています。

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