キングコング西野氏の「プペル映画炎上」「80プペル」問題はなぜヤバいのか考察した

えんとつ町のプペルインターネット
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結論からいえばそれは「いつか自分が騙されるからヤバい」です。

ここ最近私の観測範囲をにぎわせているのが、キングコング西野氏制作の「えんとつ町のプペル」が、炎上している…という問題です。これについてみてみましょう。

ちなみにプペルとは以下の画像です。ハードカバーの絵本を買って読みました。けっこうよかったです。

えんとつ町のプペル (日本語) ハードカバー より

なぜプペルは炎上したか

簡単にいえば、キンコン西野氏が運営しているオンラインのサロン「西野亮廣エンタメ研究所」のメンバーが、自発的に彼の公演「プペルブロードウェイ」のチケットを数十枚買って売りさばいたり、

80枚ぶん映画チケット台本を買って街で売ったりしているというのです。

実際のところ、こういったサロンを運営し、月額費を払ってもらうかわりにノウハウや夢や知識を見つけられる場所を提供してあげる人はけっこういます。

例えば同じ芸能人でいえばオリエンタルラジオの中田敦彦氏のサロン「PROGRESS」がありますし、ブログでいえばブログサロンを運営していたイケダハヤト氏がいます。

これらのサロン全てが悪いわけでは決してありません。サロンというといかがわしいイメージがありますが、正当な方法で知識を提唱しているところも、たくさんあるはずです。

ただ、じゃあ西野氏のサロンがそうかといえば、実際そうではない…ということで、炎上しています。

キンコン西野氏のサロンは何が問題なのか

まず、先ほどからリンクにいくつかあげているnote記事を読むと、「リスクを取る必要がある」という文言を目にします。

今回のU25というチームが出来たきっかけも、『キリちゃんが40万円の借金をする』というリスクを背負う所から始まったんだよ。そして自分がキリちゃんを信用したのも、『リスクを背負っているこの人は必ずやり遂げる』と思ったから。リスクがあるところに人は集まるんだよ。

西野サロンU25が『プペルブロードウェイ』のチケットを手売りしている話。

ものすごく雑に言い切ってしまうと「自分を宣伝してもらうため、若者に40万円の借金を背負わせた」という話になるわけです。

西野氏がそれを煽ったのかどうかはわかりません。

ただ、完全に言い逃れできるわけではない。若人はしばしば、周りが思ってもみない方向に進んでしまうことがありますが、それを正すのも年長者の役目でしょう。

サロンメンバーの一部はツイッターで「西野さんは悪くない、この人が自分からやったことなのだ」と擁護していましたが、

その理屈がアリなら「ポアしろと言っただけで殺せとは言ってない」と言い訳した麻原彰晃だって正当化できてしまう(西野氏と麻原が同じと言いたいのではありませんよ)。

リスクを取れ、その意味はわかるな?と言っておいて、いざ若者が借金なんかしたら「関係ありません」で逃げられるってことはないですよ。それは虫が良すぎる。

もし仮に本当に意図していなかったとしても、サロンで若者に夢を見させ、「自分は特別な存在である」と思いこませ、その対価に金を要求しているのだとしたら、それ以上に頭が痛くなる案件はありません。

…というような理屈で、炎上しているというわけです(以上の意見は私の本音ではありません)。

映画がアムウェイと同じになった?

私がもっと深刻だと思ったのは、こんなことをしちゃうと映画がアムウェイ洗剤の評価と同じになる、というこのツイートの指摘です。

どういうことかというと、この「アムウェイ」は無限連鎖講、いわゆるねずみ講として有名な企業です。たっかい洗剤なんかを売りつけて金を得て「自由に生活できる」という…

まあ、よくあるビジネスの手法なのですが、そういうことをやっちゃうと、アムウェイの洗剤の品質がどう、みたいなのはどうでもよくなっちゃうわけです。

無限連鎖講によって売れてるわけですから。

別の言い方をすると「秋元康氏が投票券商法をしたせいで『AKBの曲は実際、けっこういい』という評価は無力になった」でしょうか。

この比喩で私が言いたいのは、プペルがアムウェイの洗剤やAKBの曲と同じとか、売り方が汚いぞという指摘ではありません。

「そう見えてしまう」ということが問題なのです。

仮に私がこのブログを誰かの有名人に大金を払って宣伝してもらったとして、それがバレたとするじゃないですか。もう、見に行こうとは思わないですよね?

誰か別の人が「いや、でも実際、記事は面白かったよ」なんて言ったって、もうそんな評価、無力になっちゃいますよね?

プペルも同じで、こんな風に若者に夢だリスクだなんて言って…つまり、映画への評価とは無関係に代理販売をしてもらったら、映画がよいとか悪いと論じる意味がなくなるんです。

そんなことは西野氏もわかっているはず。私よりもカリスマがあって頭の回転も速いのだから。

じゃあなんでチケット代理販売なんてしてもらったのか…って考えると、結局「金なのか…」みたいな答えに行きついちゃう。

もしそうでなくて純粋に若者の成功を願っていたのなら、別にお金を払うだけがリスクではないなんて諭すこともできたでしょう。

さらにそうでなくて、彼がお金を払うことイコールリスクだと思い込んでいたら、それはそれで商売をする人間としてちょっと危ういので、そんな人間のサロンに入るべきではないでしょう。

周りの人間がサロンにハマったら

それでは自分の兄弟、親、子どもがこういったサロンにハマって「夢!」「自由な生活!」「リスク!」と言いだしたらどうするのがよいのか。

実際のところ、どうしようもないです。

なぜか?

洗脳されている人間は、むしろ周りの人間こそが洗脳されている、と思い込むからです。

逆説的な話ですが、洗脳されている人間、陰謀を唱える人間は「目覚めた」なんて表現をよく使います。今までが洗脳されていて、そこから解けた、と本気で思い込むのですね。

これは「自分の境遇や状況が正常であると思い込みたい」という人間の本質的欲求ですから、抗うことはできません。

そういうのをつつくのがとてもうまい人間が一定数いて、その一部が悪辣なサロンを運営してがっぽがっぽ稼いでいる。若者の「リスク」「夢」「アイデンティティ」を食いながら。

西野氏がそうである、とは言いませんが、そういう人はどこかにいます。

私がまた危ういと感じるのは、こういった案件を見て「また無知な若者が騙されているな」と思ってしまうことです。

先ほどから私は「若者」という単語を多用してきましたが、それは今これを読んでいる「あなた」に気付いてもらうためでした。

騙されるのは「若者」「どこかの誰か」だけではありません。

私も、そして「あなた」もです。

騙される危険はあなたにもある

私はプペルの絵本を買って読んだぐらいしかないので距離を取れてるんですが、実際前評価なしに映画を見て感動して、それでサロン入会を決めた人はけっこういると思うんです。

純粋な感動は人間にとって非常に強い感情ですから、それを利用されれば私だってあなただって、誰かによってごく簡単にお金を取られることに気付く必要がある。

ツイッターやはてなブックマークでは本当に不思議なことに「自分は絶対に騙されない」という前提から彼らを見下し、侮蔑し、まるで騙される人間は無知でアホで社会の仕組みを知らない…

という口調のコメントが多く見受けられました。

それじゃあかんのよ。騙されるかもしれない、って思わないと。

騙されないようにするため、騙す人間を批判する

無知な若者を見下すためではなく、「自分が」騙されないようにするために、こういう案件を批判しましょう。

タイトルの「なぜヤバいのか」はここに繋がっています。

「若者が騙されるからヤバい」なのではありません。

こういう案件を放置しておくと巡り巡っていつか「自分が騙されるかもしれないから」駄目なのです。

ちなみに私はもともと陰謀論者でした。

騙すといえばアフィブログの「自由な生活!」も罪深いですね。

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