メンタリストDaiGo氏の炎上したホームレス・生活保護差別発言は、何がまずかったのか

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メンタリストDaiGo氏のホームレス差別思想

メンタリストDaiGo氏のホームレス差別発言の詳細

このサイトはクソみたいな「DaiGoさんが炎上しています!何があったのかまとめてみました!」というクソサイトとは異なります。ちゃんとまじめに考察しています。

読みごたえはありますが、詳細を知りたいというだけなら別のサイトに行かれたほうがよいでしょう。一応、どんなことが起こったのかはまとめています。

まず、2021年8月7日にメンタリストのDaiGo氏が、「生活保護の人とかいないほうがよくない?臭いしさ…」という旨の発言を、YouTubeの動画で配信。

こちらは切り抜き動画なので前後の文脈があやふやですが、元動画のタイトルは「【超激辛】科学的にバッサリ斬られたい人のための質疑応答」です。

正直、再生数の増加に貢献したくないのでリンクは貼りません。一応下に、ツイッター経由で見られるリンクを貼っておきます。削除される可能性はあります。

動画を見る時間がないという方のために、該当部分のセリフを書き起こしました。

僕は生活保護の人たちにお金を払うために税金を納めてるんじゃないからね。生活保護の人に食わせる金があるんだったら猫を救って欲しいと僕は思うんで。生活保護の人生きてても僕は別に得しないけどさ、猫は生きてれば得なんで。

猫が道端で伸びてたらかわいいもんだけど、ホームレスのおっさんが伸びてるとさ、なんでこいつ我が物顔でダンボール引いて寝てんだろうなって思うもんね。

人間の命と猫の命、人間の命の方が重いなんて全く思ってないからね。自分にとって必要ない命は軽いんで。だからホームレスの命はどうでもいい、どちらかっていうといない方がよくない?ホームレスって、言っちゃ悪いけど、いない方がよくない?

みんな確かに命は大事って思ってるよ、人権もあるから一応形上大事ですよ、でもいない方がよくない?正直。

邪魔だしさ、プラスになんないしさ、臭いしさ、ねぇ、治安悪くなるしさ、いない方がいいじゃん。 猫はでもかわいいじゃんって思うけどね僕はね。

もともと人間は自分たちの群れにそぐわない、社会にそぐわない、群れ全体の利益にそぐわない人間を処刑して生きてるんですよ。犯罪者殺すのだって同じですよ。犯罪者が社会にいるのは問題だしみんなに害があるでしょ、だから殺すんですよ、同じですよ

https://www.youtube.com/watch?v=bMHPkn4fe7U 赤字は筆者によるもの

で、私自身は彼の発言について(この記事を書いていることからもお察しください)反対の立場です。彼の発言はいったい何がまずいのか、述べていきます。

人権は形上のものではない

まず、「人権もあるから(命は)形上大事」という発言は、間違っています。後ろに山ほど本棚があるのにこういう発言が出ちゃうこと自体残念ではあるんですけど。

特に日本のような民主主義国家では、人権があるから命は形式上大事にされる、という意識で憲法がつくられているわけではありません。

形式上命を大事にするけど本質はどうでもいい、というのは、人権に向き合って考えたことがない人のざれごとです。

憲法は「国自身が守るべき、非常に重要な決まりごと」を取りまとめたものです。日本国憲法25条には以下のようにあります。

第1項
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
第2項
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

日本国憲法第二十五条

その憲法にこうやって書いてあるのは、命が形式上大事だからではなく、命が本質的に大事なものだからです。特に人間の命はすべて同一視され、優劣をつけてはいけないことになっています。

「いや、そうはいっても、お金持ちの命は優遇されるし、元官僚は人をはね殺しても重罪にならないし、人権なんてあってないようなものなんじゃないの?」とお考えの人もいるでしょう。

現実的に、そういった差は存在しています。存在していることを認めなければならない。

また、DaiGo氏のように「自分にとってどうでもいい命は軽い」ことも認めましょう。たとえば私は、傲慢で、自分の罪を認められず、それなのに自分のことを優秀だと思い込む人のことを嫌っています。そういう人の命は、自分のペットの命よりも軽いと思っています。

しかし、命の価値に差があることをもって、命が形式上でしか大事でないと思い込むのは誤謬(やりがちな論理的ミス)です。

こう言い換えてもよいでしょう。

「すべての命が大事であるという価値観認めるところから、この国は成り立っている」

自分に関係ない人の命はどうでもいいのでさっさと殺しちゃいましょう、という思想が認められるのなら、それはもうこの国ではないということです。

さらに言い換えるなら、「命の優劣についての個人的な価値観を、国の人権についての判断には一切、持ち込んではならない」ということでもあります(そしてそこが、人権についての非常に厄介な点でもある)。

私がもし独裁者なら、勉強をたくさんしたのに命の価値がまったくわかっていない人を処刑すると思いますが、そういう行為は日本では認められていないということです。

たとえ首相の息子だろうがホームレスだろうが平等に裁きましょう、命に差はつけませんよというのがこの国の最重要原則です。

「命は形式上だけで平等だ、本質的には全然平等じゃない」という発言は、人権を人権という用語でしか学習してこなかった人間のかわいそうな思い込みです。

なぜ人権というものが重要原則なのか、もう一度よく考えてみるべきです。

生活保護とホームレスはイコールではない

そして次に、彼は生活保護とホームレスを同一視しているフシがあります。

生活保護の話をした直後、唐突に主語がホームレスに変わって「ホームレスって邪魔」みたいなことを言ってます。

この程度の解像度の低さで社会問題語るって、ポリコレが跋扈した21世紀現代日本インターネットで正気なのか?って感じなんですけど、信者さんに胴上げされてタコツボ化していったらこうなるのもしょうがないんですかね。

まず、生活保護とホームレスは以下のような関係にあることを押さえておきましょう。

というのも、ホームレスの定義は「住所がない人」であるのに対し、生活保護は住所があろうがなかろうが申請、受給できるからです。

もちろん、生活保護を申請しに行ったときに「住所を見つけてから申請してください」と断られたという話も聞きますが、それはいろんな大人の事情によるものであり、制度として住所の有無は関係ないというのがこの国の決まりです。

ホームレスの中に、生活保護を受給する人としない人がいて、生活保護受給者の中に住所をもつ人ともたない人がいる。だから、この二つの概念は重なりません。

ホームレスと犯罪者はイコールではない

その後、彼はホームレスが邪魔、かわいくない、臭い、治安悪くなると述べ、「犯罪者を処刑するのだって同じだ」と言っています。

この唐突な述語の変化から読み取れるのは「彼はホームレスと犯罪者を同一視している」ことです。

もともと人間は自分たちの群れにそぐわない、社会にそぐわない、群れ全体の利益にそぐわない人間を処刑して生きてるんですよ。犯罪者殺すのだって同じですよ。犯罪者が社会にいるのは問題だしみんなに害があるでしょ

「犯罪者殺すのだって同じですよ」というのは、何を殺すのと同じなのか。文脈から判断するにホームレスでしょう。

犯罪者を(国が)殺すのだって、(ホームレスを殺すべきであることと)同じですよ、という補完ができます。つまり彼は犯罪者とホームレスを同一視しています。

当然、ホームレスは犯罪者ではありません。住所がない普通の人です。

もちろん、犯罪者が紛れ込んでいることはあるでしょうが、住所がある犯罪者だっているわけで。

ところで、のちの彼の配信のチャット欄で「アンチの切り取りがうざい」「切り取られてまた叩かれるんだろうなあ」という意見がありましたけど、全部見た結果、やはり上の解釈をせざるを得ない。

また、ファンと思われる人が「この発言はさすがにダメなのでは」と言ってたのに、モデレーターさんにアカウントBANされてたのも印象深かったです。「自分の頭で考えよう」をテーマにしていたDaiGo氏の配信から、まるで独裁国家の内部事情が垣間見えたのが皮肉というか。

次回、彼の発言の倫理的な誤りを見つけていきます。

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