新入社員の問題「五月病」

当サイトはクソみてえな転職アフィリエイトサイトとは異なり、記事の最後で「どうしても馴染めないなら転職しましょう!」とあなたを勧誘したりはしません!
後述しますが、五月病の症状のために即・転職は明らかにリターンとリスクが見合っていないので、どうか騙されないでください。ああいうサイトって、転職エージェントに登録されるだけで数千円がブログ主に入る仕組みですからね。
皆さんのことを心配して転職を勧めてるわけじゃないですからね。本気で心配してくれるのはどこの馬の骨とも知れぬブログ主ではなく、あなたの家族や友人です。あと、私。
それをどうか忘れないでください。
五月病とは
新しく社会人になった皆さん、おめでとうございます!!
不本意な部署に配属されてさっそくやる気をなくしていたり、希望通りの配属だったのに業務内容が想像と違ってたり、上司や先輩が思った以上にパワハラ体質だったり…と「社会、甘くないな…」を実感している頃かもしれません。
この時期、私はまさにそんな感じでした。配属後一週間で今どき珍しい(時代錯誤も甚だしい)アルハラを受けてしまったのと、原因不明の様々な症状に襲われたのとで、出社さえもかなりきつい状態で、重たい体を引きずってなんとかデスクに向かっていたのを覚えています。死にそうでした。
マジで、しんどかった。
でも、大丈夫なんです。なんとかなります。アルハラはともかく(録音して人事に突きつけようかと思いましたが)、原因不明の様々な症状には「五月病」なる通称がつけられています。それぐらい「よくあること」なんですね。
こちらのサイトでは「五月病と感じたことがある」割合を7割と発表しています。
五月病は厚生労働省のホームページにもある通り
新入社員や人事異動など環境変化のあった方が、新しい環境への適応がうまくいかず、なんとなく体調が悪い、やる気が出ないなど心身に不調があらわれる状況
https://kokoro.mhlw.go.jp/column/sea05/
です。
私のケースは厳密には「六月病」でした。ちょうど今の時期、梅雨が始まり、高い湿度と悪天候でやる気を神様が削いでくるようなタイミングで発症しました。
以下では、私がどのように五月病(六月病)を乗り越えたか、記していきます。どうか新入社員のみなさん、これを読んで、めげずに、会社に適応していきましょう!
五月病の症状(私の場合)
五月病は大阪府医師会のサイトにもあるように、適応障害の一つの形態と考えられています。適応障害とは、
ある特定の状況や出来事(転勤、配転、新しい人間関係など)が、その人にとっての主観的な苦悩(とてもつらく耐えがたい感じ)を生み、そのために気分や行動面に症状が現れるもの
https://ikezawa-clinic.net/info_tekiou.html
新入社員の場合「新しい環境がとっても辛い!」ことによって、気分や行動が変化する症状が出てくるってわけです。で、具体的には
「今までラクにできていたことができなくなった」「大好きだった趣味に興味が持てなくなった」「常に漠然とした不安があり落ち着かない」などの症状は要注意です。また、胃痛や食欲不振、頭痛、めまい、不眠など
https://www.osaka.med.or.jp/citizen/tv85.html
の症状が起こるようです。
私の場合「大好きだった趣味に興味が持てなくなった」とまではいきませんでしたが、体は素直に反応していました。
- 腹痛
- 下痢
- 頭痛
- 動悸
- 不眠(中途覚醒が数回)
- 多汗
- めまい
- 難聴
- 強い不安感(特に日曜の夜)
など、交感神経が活発化しすぎた結果のような症状群が現れていました。同じような症状で苦しんで今「なんでだ…?」と思っているあなたは、まさに五月病かもしれません。
五月病の対策を次に述べていきます。
五月病への対策の大原則「仕事を考えない」
結論から言います。五月病対策の大原則は「仕事のことを一切、考えない」です。
仕事のことを、絶対に考えないでください。
…といっても考えないということは不可能でしょう。ええ、わかっています。
あなたも私のように大真面目な性格で、意気込んで入社して「よし、この部署で活躍してやる!!」と思っているハズ。そうでないとしたら「こんな部署に配属されて、うまくやっていけるはずがない…」と不安になっているかもしれません。
どっちにしろ、休みの日にまで仕事のこと、先輩や教育係の何気ない言動、失敗などがちらついて、リラックスできていないのではないでしょうか?
あるいは平日でも、終業後に「明日も会社か…」と落ち込んで何もできていないかもしれません。その状態をいったん、リセットします。リセットするように行動を変えるのです。
具体的な行動は後述しますが、まずはこの大原則を抑えておいてください。
仕事のことを、考えるな。
五月病の対策~仕事のことを考えないようにするために~
それでは、一体どのようにすれば仕事のことを考えなくなるのでしょうか。
まったく気に病んでいない…当然、五月病も六月病も無縁な同期(ここではAくんとします)に対策を聞いてみたのですが、その答えが非常に、興味深かったのです。
Aくんはこう言いました。
「もともと思考がネガティブな人が、それを根本から変えてポジティブにするのは難しい。その代わり自分の思考が闇(病み)に染まらないようにするために、頭を別のもので埋めてやればいい」と。
憑き物が落ちたような感覚でした。以前にも似たことを書いてますけど。
つまり、平たく言うと「嫌なこと考えなくて済むように行動を変えよ」というわけです。
私がとった方法は以下の通りでした。
- 公園を軽くランニングする。
- アニメや映画に興じる。
- 同期たちと遊びに行く。
- 贅沢なものを買って食べる。
- 丁寧な料理を作って食べる。
- 親友や家族にストレスのことを話す。
- カラオケに行って熱唱する。
- 小説を書く
どうでしょ。こいつらって全部「何も考えなくて済む状態」に体(頭)を持っていくものでしょう。歌ったり走ってるときに「仕事嫌だなぁ…」「どうしたらいいんだろう」ってうじうじ悩めないですからね。
そして、多くの趣味は実は、まさにAくんが言ったような「頭を別のもので埋める」のに最適なものだったりします。脳がマルチタスクを苦手とすることを利用して、仕事を考えなくて済むようにしているのです。
そういう意味では、あらゆる趣味は「労働からの逃避」のために行われている節がありますね(よく「趣味を仕事にするな」と言いますが、趣味を仕事にすると「逃避」の手段が一つ減るからだと私は思っています)。
五月病が辛い…会社行きたくない…と思っている生真面目さんは、以前からやっていた趣味を無心でやり続けるようにしましょう。無趣味な人は何とかして、熱中できるものを見つけてください。
無趣味な人はよく土日をネットサーフィンでつぶしがちですが、これは経験則上、よい効果を絶対に生みません。「会社辞めたい 新入社員」とかで検索して、何の役にも立たない転職サイトを見て苛立つだけです。
ネットサーフィンは脳の負荷が少なく、やりながらずっと「仕事行きたくないな…」と考えてしまうのです。
五月病の対策~仕事を積極的に「打ち消す」ために~
そしてもう一つ、今度は行動ではなく考え方そのものを変えるトレーニングをしていきます。さらに積極的に仕事を「打ち消す」方法です。
臨床心理士に教わって、非常に効果が高かったものなので、騙されたと思って実践してみましょう。
ずばり、仕事のことが頭に浮かんできたら、条件反射的に心の中で「笛」を吹くのです。ピピーッ!
笛を吹く職業といえば何が思い浮かびますか?マーチングバンド?それもありますが、やはりスポーツのレフェリーでしょう。サッカーがわかりやすいですね。
ピピーッ!そこ、違反!
「仕事を考えてしまう→笛を吹く→考えるのをやめる」という一連の流れを頭にしみ込ませるのです。そうやって常に常に条件付けしていって、次第に仕事のこと考えずに済む、というわけです。
ストレスをため込まない人全員に聞いたわけではありませんが、私はかなり確証をもって断言できます。ストレスを発散できる人はみな、この類の切り替えが上手いのだと。
そして、切り替えの方法を後天的に身につけた結果、生きるのがうまくなった人も確かにいるはずだと。
この行動は、私の親友が口にし、行動指針としていた(であろう)名言にぴたりと当てはまっています。西尾維新さんの『物語シリーズ』の一節から。
不幸でい続けることは怠慢だし、幸せになろうとしないことは卑怯だよ
一時的に不幸に酔ってみるのは、悪くありません。イラン詩の最高傑作「ルバイヤート」を11世紀に著したウマル・ハイヤームもこう言っています。
今日こそわが青春はめぐって来た!
https://www.aozora.gr.jp/cards/000288/files/1760_23850.html
酒をのもうよ、それがこの身の幸だ。
たとえ苦くても、君、とがめるな。
苦いのが道理、それが自分の命だ。
「飲まなきゃやってらんねえよ」って、11世紀のイラン文豪も言ってるんですね。まあわかります。誰かの不幸から作品が生まれると私は思ってますから、この世から不幸がなくなればいい、とは願いません。
しかし、常に自分を不幸なままでいさせ続けるのは「怠慢」です。それは端的に言って自分への虐待であり、勝手気ままな憐憫であり、決してあなたを救いません。
仕事のことが思い浮かんだら、笛を鳴らしてください。もう私は日曜の夜さえも「明日仕事か…」と思わなくなりました。仕事が終わったらきっぱりと仕事のことを忘れて、趣味に興じています。
五月病はいつ治るのか
それでは、五月病はいつ「治る」のでしょうか。臨床心理士さんいわく、症状の重さや当人の思考に大きく依存するが、梅雨明けには多くの人が治っている、とのこと。
これは、新しい環境に入ってから馴染むまで3か月程度を要する…という(よくいわれる)言説にも当てはまっています。その程度の期間があれば、新しい人間にも新しい場所にもなじめて、ストレスが減っていく、ということです。
私の場合、「仕事を忘れられる趣味に興じる」「仕事のことを考えない反復練習をする」という二つの対処法がぴたりと効いたのか、梅雨明け前に前述した体調不良はなくなっていました。
アルハラしてきた人についても「またなんか言ってるなこいつ、キモ!!」「アルハラされて育った奴は下にもやらないと気が済まないんか!」ぐらいの感じで受け止められるようにもなりました。
大失敗(客観的に言えば私が悪い割合は1割らしい)して知らん人からネチネチと説教されましたが「うわ!やばい奴もいるんだな~」で済ませられるようになりました。
また、直属の上司に五月病のことを話したところ理解が得られ、無理なく働けるような業務を整えてくださったことも影響しています(その節は本当にご配慮ありがとうございました…)。
ともかく、仕事のことを休みの日にまで考えるほど善良で真面目な新入社員のあなたは、何も気に病む必要はありません。
今あなたが活躍できていないのは、あなたに知識がないからであり、周りの人を知らないからであり、また周りの人があなたを知らないから、というだけです。
慣れてきたらむしろ主力として、その責任感によって頼もしく働いていることでしょう。今までのあなたがそうだったように。そのことを夢見ながら、今はまだ甘えさせてもらいましょう(どうせ、会社はあなたの働きに全く、まったく!!!!期待していませんし)。
五月病で転職はありか、なしか
それでは最後に、五月病で転職はありなのか、なしなのか、個人的な意見を述べてみます。
私は「絶対とまではいかないが、反対」という立場です。転職アフィリエイト書いてる人はやたら安易に勧めてきますけど、考え直してみてください。
反対する理由はたった一つです。あなた自身の考え方を変えなければ、転職してもまた同じ目に遭うことがわかっているからです。
まず、この世に「理想の職場」はほとんど存在しません。
人は贅沢な悩みを持つ生き物なので、そっちに入ったとしても「やっぱり前のほうがよかったな…」とか「あっちのほうが…」と思ってしまうのです。
ましてや、新卒入社後たかだか2か月で自分の会社を完全に理解できるはずもなく。そんな状態で幻の「理想の職場」を求めて行動したところで、転職してもまた五月病になってしまうでしょう。蜃気楼を追うようなものです。
あなたの職場の悪環境ではなく、単純に「環境に慣れていない」ことが五月病には関係しています。慣れれば必然的に解消します。逆に、今転職してしまうと、転職先でもまた慣れない環境のために再発症する可能性があります。
今はつらいと思いますが「慣れれば絶対、楽になる」ことを多くの先輩方や私が保証しています。
ただし、以下の場合はすぐに転職、あるいは対策(産業医や主治医、上司に相談)してください。
- 上司や先輩からパワハラ、セクハラ、アルハラを受けており、会社が対策してくれない。
- 労働契約書と異なる労働を強要される。
- 多大なサービス残業を課せられている。
- 肉体的、精神的に極度の疲労がたまる仕事をさせられる。
- すでに出社できない(遅刻をしてしまう)ほど体が動かない。
特に、すでに出社できないほどのダメージを負ってしまっている場合、対処は急務です。五月病(適応障害)はストレス源がなくなると急激に改善するとはいえ、放置しておくとうつ病に「進化」するおそれがあります。うつ病になってしまうと治療に長い時間がかかります。
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